求められる人

とある企業の社長と話したなかで

求める人物像についての話題になった。

その会社では、特に新卒者の場合、

・ロジカルシンキングができる人

・自律型人材(自分で目的を考えて、手段を選び、仮説を出せる人)

が求める人だ、ということだった。

しかし、そんな人材はなかなかいない、という理解もしながら。

その社長の話によると、

だいたいの人は、目的よりも手段を考える傾向にあるから、手段がうまくできていることへの賛美がほしかったり、喜びを感じてそっちへ流れてしまう。しかし、彼女ら(求める人物のモデルになるような人たち)はその逆だ、と。まずは目的を考えて、そのために必要だと思われる行動と手段をとり、自分なりの答えを導き出すということだった。しかも人に嫌われることなく役立つと思った人を巻き込んで、役が終わったらさっとそこから去って行く。興味のないことにはとことん執着はなく、興味をもったことにはグッとのめり込んでいく。そういうタイプだそうだ。

ちなみに、求める人物のモデルになっているという人物にも取材をしたところ、彼女はいくつか、ヒントをくれた。

彼女が、自分が他の人よりも優れていると思えることは、どんな時も〈考えて自分の言葉にする〉ことだという。

幼い頃から両親に、できなくても、分からなくてもいいから、考えなさい。そして、それを言葉にして口に出しなさいと言われて育ったそうだ。

そうして育ってきた彼女は、海外に留学して勉強し、日本で大学院に通うつもりで就職をして、今では大学院よりも仕事にのめり込んでいる。

彼女は新卒入社1年目にして、その会社の売り上げに相当な貢献をしていると社長は断言した。

よく言われるのは

海外型人材が必要だ、ということ。

精神的なタフさ、コミュニケーション能力、語学力…

これらが今、大小問わず多くの企業で求められている。

こういう能力をつけると、どうやら社会人として〈売れる〉人材になるらしい。

これまでの企業取材の経験上、それは断言できるといっても過言ではない。

だいたい、どんな会社にいっても重宝がられる。

しかし、全員がそういう人間であるわけがないし

それが幸せの最低条件かといえば決してそうではないだろう。

大人になるまでに伸ばす必要がある部分は、どんな力だろう。

自分の娘ご子どもから大人になって社会人になるうえで、どんな力を最低限つけていてあげたいだろうか。

そんなことを考えた1日だった。

0コメント

  • 1000 / 1000